路面電車

 古くから日本ではちんちん電車と呼ばれ、近代都市のひとつの象徴として活躍した路面電車
 しかし、その後のモータリゼーションの台頭により、20世紀後半には交通を阻害する存在として路面電車はその姿を消し、都市交通の主役を地下鉄に奪われてしまった。

路面電車の定義

 路面電車とは、主に都市の市街地およびその近郊の道路上あるいは同一平面上に敷設された路面鉄道を走る鉄道車両を利用した交通機関の総称で、通常は短距離の旅客移動手段として利用され停隣接する停留所との距離間隔が短いなどの特徴がある。
乗客は道路上の安全地帯に設置された駅(停留所)や歩道から直接車両に乗降する、

路面電車の歴史

20世紀初頭は路面電車の時代

 路面電車が盛んに作られたのは19世紀から20世紀前半までであり、世界中の各都市で都市交通の主役として路面電車が隆盛を誇った。
 しかし、自動車が交通の主役として次第に普及すると、20世紀の中盤にさしかかるころには路面電車は街の交通を阻害するものとして疎まれるようになてしまう。
 さらに地下鉄が普及するにつれ都市交通の主役をも奪われ、20世紀後半には路面電車は大都市からはほとんど姿が消えてしまったのである。
 一方で、それほど大量輸送を必要としない地方都市や郊外都市の中心部では、地下鉄を建設するほどの交通需要には至らなかったため、多くの路面電車が生き残り、現代までその役割を果たし続けている姿がある。

次世代型路面電車(LRT)

 モータリゼーションの影響で大都市からすっかり姿を消した路面電車だったが、都心の再開発や、新規のエリア開発において路面電車の優位性が見直され始めている。
 地下鉄に比べ建設費が安いうえに、バスと比較して定時制に優れる路面電車は、新世代の都市交通機関として優位性が認められるようになり、各都市で新設の動きが見られるようになった。
 これらの路面電車は、旧来の路面電車と区別する意味で次世代型路面電車(LRT)などと言われており、従来の路面電車にはなかった低床省エネ型の車両が導入されている。

◎路面電車のある日本の街

札幌・函館・東京・藤沢・富山・高岡・福井・豊橋・京都・大阪・境・岡山・広島・松山・高知・長崎・熊本・鹿児島

路面電車のある中国の街

長春・瀋陽・大連・天津・青島・威海・上海・蘇州・南京・杭州・武漢・広州・シンセン・珠海・成都・香港